飛行機の窓から、またこの夜景を見ることになるとは思わなかった。ましてや、こんな息も凍る季節に。
思えば、この街を最後に訪れたのも、いまごろの季節だったような記憶がある。あの頃は、右も左もわからなくて。それでも胸ばかりはって上を見ていたような気がする。それじゃあ今は右も左もわかるのかと言われてみると。案外、自信はないものだ。今も、上を見てばかりのような気もするし。結局、成長していないのかもしれない。
ともあれ。帰りの切符はすでに取ってある。一刻も早く離れたい気もするけれど。帰りの切符までの日数は滞在せねばならない。それまでは、どうにかしてこの街を堪能してみようと考えをめぐらしてみる。
まずは、うまい茶菓子を出すあの店に行くか。
きっと明日は良い日になるだろう。と、言い聞かせてみる。
