Kome's DAY DREAM...

Orange color summer

Orange color summer

真夏の炎天下にみかんが食べたいとだだをこねたら、じいちゃんが言った。夏のみかんはせんりょうするぞ。それでも、じいちゃんを困らせるようにだだをこねたら。県道沿いの駄菓子屋に連れていってくれて。みかん飴を買ってくれた。みかんひと房のかたちをしたきれいな黄色の飴だった。

真っ黄色の飴を見ると、あの日の強烈な日差しと、蝉の声を思い出すのは、つまりそういうことなのだけど、おとなになってから知ったのは、駄菓子屋の飴は着色料で黄色く染めただけで、実際にはみかんは入ってなかったかもしれないということだ。それでも、そのときはみかんの味がしたような気がしたのだから、面白いものだ。

そうか。すなわち染料みかんだったのだなと。
蝉の声の聞こえる台所でオレンジをしぼりながら、ふと思いついて。ひとり、笑った。