Kome's DAY DREAM...

Memories of this road

Memories of this road

たしか、春休みのことだった。

よく覚えてないけれど。たしか土曜日の午後で。あたしはそろばんの帰りで。その日は黄色い手提げ鞄を持ってたことだけは、なぜか記憶に残ってる。だから、たぶん、土曜日の午後だったんだと思う。

道の向こうからあいつがおばあちゃんをおぶって駆けてきた。あたしの横を駆け抜けて。脇目も振らずに行ってしまった。自分よりも体の大きな。おとなのおばあちゃんをおぶって走ってる。しかも、あんなスピードで。って、ぽかんと見てしまった。

夕飯のとき、母から聞いた。

おばあちゃんが階段で転んで。
あいつが病院までおぶっていったそうだ。
結局、軽いねんざだったらしい。

それまでは、同じクラスのバカなやつ。ってくらいしか思ってなくて。あのころは、背もあたしより低かったし。言うこともいちいちこどもっぽいし。ランドセル汚いし。なんかくだらないことでからかってくるし。

次の日、道の向こうからあいつが歩いてきたとき、顔を合わせづらくて。思わず、脇道にそれてしまった。

それから。学校がはじまって、クラスも別々になって。
なんとなく疎遠になってしまった。
家は近いのに、話もできなくなった。



今も、この道は変わっていない。
あのときの脇道も、あの頃のままだ。